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ハコミ・マインドフル・ソマティック心理療法(ハコミセラピー)

ハコミ研究所(Hakomi institute)のハコミセラピーは、40年以上前にマインドフルネスを初めて心理療法のセッションに取り入れたパイオニアです。マインドフルネス、身体志向的(ソマティック)、かつ体験的なアプローチを心理療法に取り入れることによって、非常に効果的な癒しをもたらします。欧米では最も効果的な心理療法の一つです。

ハコミセラピーの第一人者であるロン・クルツとその後ハコミ研究所の中心的なトレーナーとなる人々によって、ハコミセラピーの確立と普及のために、1981年にハコミ研究所(Hakomi institute)は確立されました。

その後、ハコミセラピーの革新的な技法は、最新の脳科学を取り入れながらより開発され、心理分野での専門家のための非常に効果的、かつ実践的なトレーニングが作りだされました。現在、ハコミ研究所のトレーニングやワークショップは、欧米、日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルを含む、世界各国で行われています。欧米では、公認臨床士などのライセンス保持のための継続単位提供機関として認められています。


マインドフルネス

マインドフルネスを精神力動学的(※1)に活用しています。マインドフルネスを補完的に用いるのではなく、マインドフルネスの意識状態が一貫として使われ、深いレベルでのセッションが可能になります。


ラビングプレゼンス

ラビングプレゼンス(※2)と癒し的な関係性もまた、ハコミセラピーの根幹と言えるでしょう。クライエントに深く共感するための技法を用いながら、微細に無意識レベルの兆候を読み取り、つながることによって、繊細にしっかりとクライエントに同調できるようになります。その結果、安全性に満ちた関係性が築かれ、無意識からの協力を得ることができます。つまり、習慣を色づけている潜在記憶 その結果、ビリーフの変容へと深まります。ることができるようになります。

※2=何もしようとせず、何も変えようもせず、ただクライアントと共にいるセラピストの意識状態によって生み出される、在りようです。

身体指向的療法

身体は個人の無意識レベルのビリーフ(思い込み)のシステムや、その根底にある潜在記憶への扉であると捉えています。身体の姿勢や、習慣的なパターンは、無意識のコアマテリアル(※3)をあきらかにする貴重な情報源です。

マインドフルネスと身体、そして、ハコミ独自の技法を活用することによって、クライアントは、短時間で、体験的にコアマテリアルへと至ることができ、気づきや会話を超越した、深いレベルでのセラピーが可能になります。その結果、私たちが知覚することなく、私たちの人生や、関係性、自己認識などを方向付けしている、幼少期の体験やビリーフへと迅速にアクセスし、癒し、変容させることができます。

※3=深いレベルでの思い込みを色づけている情報など


体験的なセラピー

ハコミセラピーは、マインドフルネス、身体指向的技法、認知レベルの取り組みを統合した、体験的なセラピーです。その結果、セラピストは、クライアントのビリーフにたどり着くための鍵となる、無意識のパターンに安全に繊細かつ迅速にアクセスすることができるようになります。このような体験的なプロセスによって、クライアントには、強力な体感レベルの感覚が呼び起こされ、自分自身のコアマテリアルに深く向き合うことができるようになります。その結果、変容とそれに伴う変化を自分のものとして体験できるのです。直接的に体験することによって、コアマテリアルを観察し、探求することができ、変容が可能になります。

クライアントには説明ではなく、体験が必要である。アメリカの合衆国心理療法家フリーダ・フロム=ライヒマン

発達性トラウマ・愛着障害

ハコミセラピーは発達性トラウマ、愛着の問題や傷への取り組みに特に効果的です。そのような問題を作り出した体験は、コアマテリアルの大きな要素であるからです。深いレベルでのビリーフは、無意識のままであると、私たちの習慣や、認識の仕方、態度、行動を色づけ、私たちの内面や、人との関係性において、投影や、争い、不調和の原因になります。


変容を可能にする

マインドフルネスの意識状態で、体感レベルの、今この瞬間に起こっている体験に意識を向けることによって、コアマテリアルが意識上に浮上してきます。そして、バリアが処理(※4)され、記憶が再統合され、変容がもたらされます。つまり、新しい体験が統合され、ビリーフや神経回路が再組織化されるのです。その結果、クライアントは、自分の行動や体験を制約していたコアマテリアルを変える、選択肢と自由を得ます。さらに、セラピストは、この変容がクライアントの生活や人生に統合されるように、サポートします。

その結果、精神的疾患の改善、自己成長など大きな変化がもたらされます。

最新の脳科学とハコミセラピー

最新の脳科学は、マインドフルネス、ラビングプレゼンス、共感的な同調、辺縁系の共鳴、記憶の再統合など、ハコミセラピーの基礎的な側面の効果性を立証しています。ハコミセラピーのトレーニングのカリキュラムは、このような脳科学を実践的に使うことができるように構成されています。発達上トラウマに取り組む時、ハコミセラピストは、ロン・クルツが「得られなかった体験」と呼んでいるような、深い変容をもたらすプロセスを提供します。脳は、可塑性があるため、このような体験によって過去のトラウマは癒され、記憶は再組織化され、神経回路が新しく組み替えられ、クライアントは、新しく、より満足感をもたらすような体験に満ちた人生へと開花していきます。